【事例紹介】福祉業界×週末ヒーロー育成講座の導入による効果とは?

今後ますます需要がアップする医療・福祉業界。人材の確保や地域と連携した社会的な活動の展開など各地でさまざまな課題もあることでしょう。
全国各地で福祉関係の講演で、こんな質問をされることがあります。
- ●どれだけ研修をしても、現場での効果を感じられない
- ●より職員が主体的に現場を運営したいけど何が足りてないんだろう?
- ●地域と連携した福祉的なとりくみをどのように始めたらいいのかわからない。
この記事ではそんな声に少しでもお答えできるよう、
「福祉業界での過去の事例」と「『週末ヒーロー育成講座』を導入したら、どんな効果があるのか」について解説してみますね。
また、この記事はこんな方にもおすすめです。
- ●福祉業界での研修を検討中の担当者の方
- ●福祉業界と地域を連携させた取り組みをしたいとお考えの方
- ●週末ヒーロー育成講座の効果や概要を知りたい方
今日も「自分の関心ゴトで世の中を社会をちょっとよくする」そんな全国に週末ヒーローが全国に生まれることを願っています。
福祉業界でよくある悩みとこれからのカタチ

ここでは、福祉業界での「研修の実施方法」でよくある悩みを紹介します。また、はじめにご相談いただく際に、よく伺うパターンや上手くいかないパターンをまとめてみました。
最後にこれからの福祉業界において求められる「脱カリスマ」についてもお話ししますね。
研修を実施すること事態が目的になっている場合
とにかく現場に変化をもたらそうと「勉強会や研修はよくやるんですよ〜!」と言う声をよく伺います。しかし、本当に大事なのは「勉強会や研修をすること」なのでしょうか?
それだと少しもったいないですよね。
研修を企画する側は、
- ●「勉強になりました〜」
- ●「とてもいい話でした〜」
といった感想を求めている訳ではありません(笑)。
職員の「日常での小さな1歩や変化、現場での工夫」を求めているはずなのです。
またこの場合は、研修を企画する方ももう一度「研修の実施の目的は何だっけ?」と振り返ってみるのもおすすめです。
どこかのカリスマ職員をモデルとし、現場で活用しきれていない場合
- ●「あの施設は、福祉と地域の連携のために〜」
- ●「あの施設では施設長がこんな取り組みをしたらしい」
このように良い取り組み(専攻事例)から学ぼうとする姿勢はとても大切です。
しかし、「レベル100の力を持った1人のカリスマ職員」を育成するような研修内容は、現場目線に合っていないことがほとんどです。
良いモデルケースを紹介したり、敏腕な理事長などをモデルやゲストとして取り上げたりすることが話題の中心になってしまいます。
「カリスマ職員育成研修」に固執することは、ある種の「脆さ」があるということです。
成功事例を取り入れて、下のような状況を招いてしまうことも。
- ●ある地域特有の条件で成り立っている
- ●モデルケースとあなたの抱えている現場とでは抱えている課題が根本的に違う
- ●「こうすればいい!」と1つの手法が画一化されすぎているetc…
これらを踏まえた上で、私は「脱カリスマ」を声を大にして呼びかけているのです。

これからの時代はITやテクノロジーの進化により複雑な変化が続く時代。
だからこそ、カリスマ1人や過去の事例に縛られすぎず、現場の課題に対してひとり1人が力を持ち寄って課題を乗り越える柔軟さが求められるのではないでしょうか。
福祉×「週末ヒーロー育成講座」の内容&事例を紹介

ここでは、講座の内容や実際の福祉業界での先行事例を紹介します。
これまでの研修内容とのちがいや実際の事例から、講座のイメージを描いていただけると嬉しいです。
「週末ヒーロー育成講座」の主な内容
あえて、カリスマ職員の話ではなく、「フツウの運営の人」の話しを聞いてもらっている。
また、自治体や地域の枠組みを超えた対話や自分なりの取り組み計画(マイプラン)の作成を重視しています。
〜ある市の「社会福祉協議会」での例〜
お墓のお掃除や維持の代行事業を社会福祉協議会が担当しているそうです。
その地域では核家族化が進んでおり、「なかなかお手入れに訪れることができない」課題を社会福祉協議会が解決しています。
この取り組みは、ある地域にとっては当たり前のこと。ただ、他の地域で話すとびっくりされることがほとんどです。
聞いただけでも、あなたの身の回りで「できるかも…!」「そういえばこの前…」と思い当たることがあるかもしれませんね。
このように、地域の枠組みを超えてお互いに「小さな取り組み」「ひと工夫」を共有しあい、自分なりの取り組みたいこと(マイプラン)を立てることで、研修の効果も大きく変化し始めます。
事例:岡山県社会福祉協議会「無理しない地域づくりの学校」

岡山県社会福祉協議会では、「無理しない地域づくりの学校」として実施されています。
実際に福祉関係の職員の方に受講いただいた結果、無理せず地域のさまざまな人の力を借りて連携が活発に進んでいます。
西日本豪雨災害の際は、独自の支援活動が自発的に発足するほど。地域のたくさんの方が力を持ち寄って、災害時の柔軟な対応力が根付いています。
また、8割以上の参加者が自分なりの取り組み計画(マイプラン)を現場で実践しています。平日は職員として職場の課題に取り組み、週末は自分なりの知見を生かして、無理のない範囲で社会に貢献する。
「週末ヒーロー育成講座」を職場やライフワークに生かす地域のヒーローが続々と生まれています。
類似ケースとして、長崎県社会福祉協議会でも「フツーの人のまちづくりの学校」が開催されています。
“フツーの人”のまちづくりの学校in長崎202(プレセミナー)の様子はこちら
1期生|ソーシャルワーカー森さんの取り組み
ソーシャルワーカーの森さんは「無理しない地域づくりの学校」の1期生です。
20代で受講後、地元の市で専門職団体を作り、自らが「会長」になっています。
また、森さんは「自身が知らない業界や関心のある課題を、自分事として考えたい」と考え、次のような取り組みを行いました。
- ●市に在住・勤務する外国人の支援に取り組む人との交流の場づくり
- ●福祉現場でもタコツボ化して知らない他の福祉領域を学び合うワールドカフェ
- ●介護を語り合うイベントを企画
年齢は職員の中で「一番下」です。
しかし、そんな若者が「会長」となり、自分なりのマイプランを今の実践し続けています。
1期生|(職業?があったほうがいいかも)難波さんの取り組み
同じく1期生の難波さんは、地域課題や福祉について本音で語り合う場づくりを行っています。自身の祖父母の暮らす地区を練り歩き、その地域の魅力的な人々と出会う。
そこで出会った人と交流する「酒場」を開き、だれもが本音で語り合える場づくりを行っています。
・難波さんが地域課題や福祉について本音で語り合う場づくりをしようと思ったきっかけ(背景)は?
これまでの「研修」ではあまり見受けられなかった、「地域」と「福祉」の接点をつくるマイプランに取り組んでいます。
最後に
福祉業界では「福祉とはこうあるべきだ」「こうしなければならない」という呪縛にとらわれがちだと感じます。
職員は本当に職場に「関心がないから」声をあげてないのでしょうか?
そうではないと思います。
実は、「福祉の枠組みの限界」を感じつつ、何から始めたらいいか迷っているかもしれません。実は、声にしないだけで各々が悩んでいるのかもしれません。
ひとり一人の「こうしたい」をひたすら深堀り、話し、じっくりと聞く。考えがまとまっていなくても「まぁまぁ、話してみませんか?」と話して、共有しています。
週末ヒーロー育成講座を通して、凝り固まった現状を突破するチャンスにする。そして、受講した”フツウの人たち”が自分なりの活動を無理なく、楽しく実行する。
そんな「自分ごとで」行動するヒーローが日本中に増えることを心から願っています。